日経BP 『ライトノベル完全読本』 (ISBN:4822217043)

ライトノベル完全読本 (日経BPムック)
24日発売の『ライトノベル完全読本』(→参考)です。隅から隅まで読んだ訳ではないですけど、一通り読んだので、感想でも書いておこうと思ってます。
ライトノベルの作品紹介、というよりは、新しいムーブメントとしての「ライトノベル」について、いろんな人がコラムを書いたり、作家さんやイラストレーターさんのインタビュー、対談などが主な内容で、ライトノベルを読む人たちが対象というよりは、一般小説を読んでる人や、ある程度のオトナたち、ライトノベルに関わる人たちが対象のような気がします。少し裏役チックな話を知りたい人や、業界のことを知りたい人、作家になりたい人にはいいかもしれないですけど、普段ライトノベルを読んでる人たちにはちょっと重い、とゆーか、堅苦しいと思いました。
なので、買うときは少し考えたほうがいいかもです。好きな作家さんのインタビューがあるので買ってみようかな、とか思ってる人は、立ち読みのほうがよいかもしれません。ちなみにぼくは、650円くらいまでなら出してもいいと思いました。*1
それでもやっぱり新しい発見もあるわけで、ぼくの知ってるライトノベルの歴史は1999年くらいからで*2、まだ歴史が浅いんだなぁとか、秋山端人さんと古橋秀之さんが法政大学の小説創作ゼミに所属していて、そのゼミは去年芥川賞金原ひとみさんのお父さんが講師で、金原さんも小学校の頃に参加したことがあるとか、冲方丁妹萌え小説とか、緒方剛志さんが格好いいあんちゃんだったとか、そういう細かい発見はありました。でも、ライトノベルがどうのこうのって言ってる所は、そんなにためにならなかったかなぁ。ガンダムの所とかなんて、読んでなかったりしますし……。
結論としては、普段「ライトノベルと一般小説ってどう違うの?」とか「ライトノベルはもっと認められてもいい!」とか思っている人は、買ってもよいかもしれません。その他の人には、あまりお勧めしません。読まなくても、ライトノベルは面白いままです。例えがちょっとヘンかも知れませんけど、よく人気があるマンガででてる徹底読解本の、ライトノベル全般版みたいなものです。「ライトノベル」という概念に興味がないと、意味ないのです。
これなら、ライトノベル入門書という感じで、ランキングや、作品紹介をメインにして、一部にそういうコラムを置いたほうが面白いんじゃないかなぁと、ライトノベル読みとしては思うのでした。

*1:実際は952円+税です。

*2:ブギーポップが大賞とったちょっと後くらいから。