『創雅都市 S.F』 (川上稔)

全てが描かれることで作られていく都市、サン・フランシスコ。その街で、市役所衛生課の一員として毎日を描いている匪堕天のサラと、その同僚達を巻き込んでおこる毎日のドタバタ騒ぎ。しかしその裏では、竜の出現=大神祭がちゃくちゃくと近づいているのであった……。
電撃hpに1999年9月〜2002年8月まで(不定期に)連載されていたものを本にしたものです。時間的には『閉鎖都市 巴里』が出版されるちょっと前から『終わりのクロニクル』がはじまる前くらいにかけてのですね。通販限定です。表紙とか大まかな説明は川上稔さんのサイトのこのへんで、購入はTENKYさんのサイトのここからどうぞ。1600円とちょっと高いですが……。ちなみにぼくは電撃ArtShowで買いましたよー。
中身は、小説というよりは、漫画とか絵本に近い気がしますね*1。川上さんの文章にさとやすさんが絵をたくさんかいた感じで、さとやすさんのイラストの変化が感じられます。物語は、結構深刻な話なはずなのに、終始明るくて、お祭り騒ぎです。確かに大神祭って祭りって書いてますけど、概念的には大震災なのにですよー。川上世界の人たちの特徴ですかね。
他の都市と関連した人たちも出てきていて、巴里のあの人たちとか、香港のあそこの人たち、ゲームOSAKAのあの人などなど。巻末についてる人物解説とか作品紹介は結構面白いです。とはいえ、ほとんど忘れてかすかに記憶に残ってる位だったので、思い出すのが大変でしたですよ……。
とゆわけで、川上作品に心酔している人は、買う価値はありだと思います。心酔までいってない人はちょっとびみょーです。高いし。内容は人に薦められるほどこれってものはないのですよね……。あーさとやすさんの絵が好きな人もかってもよいかも。
 
    評価:★★

*1:イラストノベルというらしいです。ファウストのイラストーリーみたいな名前ですね。