2004-09-01から1ヶ月間の記事一覧

No.58

「火のないところに煙は立たないって言いますけど……」 美紗は思い切って言ってみた。少し失礼だったか、と思いつつ。 「完全燃焼すれば、煙は立ちませんけれどね」 紅子は言った。 (森博嗣・『月は幽咽のデバイス』・ISBN:4062736985) 森さんの作品が理系…

No.57

「つらいことがあったなら、少なくともその分は、幸せになっていいはずです。僕はそう思いますし、そうあって欲しいと願ってます」 「……おとぎ話とは違って、この世界はそういうふうにはできていないかもしれません。でも少なくとも、僕の手の届く範囲では――…

4日遅れですけど。

そういえば、29日に電撃アートギャラリーというものに行ってきました。目的は「電撃ヴんこ」と「奏雅都市S.F」です。 やっていたところは、せっまーくて、うさんくさーなところでしたけど、予想よりは良かったです。いっつも表紙で見てるじゃんとか思ってた…

No.56

「――君のような人間は、生きてる方が興味深い」 (上遠野浩平・『ソウルドロップの幽体研究』・ISBN:4396207859) そのあとの、「君らは――私などよりも、自分達のほうをこそ、知らないままなのさ――」という台詞もいいですけど、あえてこっちで。これぞ上遠野…

時間時間時間。

今月買う電撃文庫。この辺も見ながらどうぞ。 上遠野浩平・『ビートのディシプリン SIDE3』 : なんだかんだいって買ってしまうのです。普通くらいには面白いですしね。 橋本紡・『半分の月がのぼる空3』 : 今までが良かったので(→この辺参照)。 成田良…

『ソウルドロップの幽体研究』 (上遠野浩平・ISBN:4396207859)

「どうでもいい物しか盗まれず、同時に誰かが死んでいる」「ヤツは怪盗じゃない。泥棒とは呼べない。ヤツはむしろ――殺し屋だ」 そんななんとなくどこかのネジが飛んでるっぽい怪盗、ペーパーカットの物語。実際にはペーパーカットに関わった人たちのお話とい…

No.55

「君たちは、"生命"というものをどう考えている?」 「……いの、ち――?」 「君たちは生命を持っているわけだが――例えば、それが絶対的な危機に遭遇したときに、何を使って生命を守ろうとするか、ということだ。その姿勢だ」 「生命を守るのに、生命を使う姿勢…