No.45

小生、かなり慎重に言葉を選んでエッセイを書いた。読んだ人の心が浄化されるような神秘的なものを目指した。しかしなぜか完成した文章には「首を吊る」とか「樹海に行く日をいつにしようか迷う」とか「その人は処刑に関する本を僕に貸してくれた」とかいう文字の連なりが混じっていた。いつのまにか指が勝手にキーボードを打っていた。小生、驚いた。
    (乙一・『小生物語』・ISBN:4344006550

うわわぅ。