No.53

「あたしはね、裕一を教育してんの」
「教育?」
「そう、現実って怖いよ。気をつけないと、すぐ足元をすくわれるんだから」
里香がいうと、その言葉はやけに鋭かった。まるでガラス片のように。下手に触ったら、手が切れそうだ。
    (橋本紡・『半分の月がのぼる空 2』・ISBN:4840226067)

読み返していると、よさげなの発見!ということで、里香っぽさがあふれる台詞なので引用。そのあとの主人公のひねりのない比喩ともあいまって*1、ぐーっときます。

*1:ひねってないトコロがよいのです!