『食卓にビールを 2』 (小林めぐみ・ISBN:4829162759)

食卓にビールを〈2〉 (富士見ミステリー文庫)
SF的女子高生人妻コメディ。前の作品の批評はこちらです。雰囲気は1巻となんら変わってなく、1巻が楽しめた人は買いでショー。何でビールを飲むかということについては、大人の事情があるってことで。
うむむ、なんとなくコメントしずらいです。言いたいことは前の巻でいっちゃったかなぁ。暗黒物質がどうとか、ブラックホールがどうとか、宇宙人とか、すっごいものをいとも簡単に、陳腐に扱って不思議世界を作る小林めぐみさんの感性は、やっぱりいいなーと思うのでした。そういう現実的にはすごいものが、夕食に出てくる鯖と同次元に扱われている変な世界なのです。
あと、もうひとつの変さとして、主人公の性格がありますねー。悪い意味で変、つまり人格に統一性がないとかでなく、キャラ造形的に特殊な感じになってます。はっきりいってしまうと、中身はおばさんではないか……と感じさせておいて、でも外見はきちんと女子高生なギャップというかもやもや感。しかも中身のおばさんが微妙にかわいく感じるようななんともいえなさ。小林めぐみさんがそのまま主人公でしょ?と感じてしまうような感覚です。うーん、なんとゆーか、「変な女子高生」で済ませられる段階を通り越してるのだけれど、でもいいキャラしてるというか。
そういえば、「通常の3倍」についてですけど、外見の女子高生が17歳くらいだとすると、中身(つまり人格=小林めぐみさん?)が51歳程度だと通常の三倍に説明がつきますね。……51歳!?ありえないか……。