さて、

ちょっと京都に旅行に行ってきました。良かったけれど、やっぱり歴史よりは自然のほうが好きだなぁ。鞍馬山イカス(死語)。
京都といえば神社仏閣、神社仏閣といえば木造建築ですけど、現在の技術であの趣を出すことは不可能なのでしょうか。やっぱりお金かかりすぎるのかな。たくさん見て周ってると、こんな家とか庭が欲しいなぁ、と思うのでした。
 
それはさておき、ちょっとこの後しばらく忙しくなるので、書評が書けなくなります。書けなくは無いのだから、書かなくなるのか。しばらくは台詞だけの進行となります。よしなに〜。

No.92

「……安心しろ、俺は未来は知らない事にしているんだ。人生がつまらなくなるからな。だから――俺は今、楽しみなんだ」
    (成田良悟・「バッカーノ!1933 (下)」・ISBN:4840228507

悪魔なのに人生?という突っ込みはさておき、中学生くらいのころに「すべてをしるもの」には楽しみがあるのか、なんてことを話してたりもしました。これから起こることも、結末を知ってるから楽しめないはずですが、「すべてをしるもの」ならその状態でも楽しみを見つける方法を知ってるはず、という感じ。これにさらに続けるのはちょっと矛盾っぽくて面白いけど、論理的にはセンス無いかも。
「知る」とか「知っている」とかっていう状況は、人生の楽しさ、奥深さに深く関係してます。ただ単に驚きが無いと飽きるだけなのかもしれませんけど。
……でも、知っていたって楽しいこともあるなぁ。

たまには政治のこととか。

えっと、ブッシュ氏が再選したわけですが(遅)、いかがお過ごしでしょうか。
ぼくはブッシュ氏が再選しそうだなぁとは思っていたけれど、ケリー氏が勝っても面白そうだなぁと、つまりはどっちが勝っても、ほら!みたいな台詞が言いやすいような立場だったのですが、やっぱりブッシュさんが勝ってくれたほうが、日本にはいいんだよね。
現実的には、多数の日本人は結構安心したのではないでしょうか。ケリーさんのほうがよかったとしても、悪の大魔王みたいに呼ばれてたブッシュ氏が再選して、現実的には何も悪くはなってない。まぁ現実が悪いって言う突っ込みもありですけど、変わらないって事は安心しちゃうんですよね。ケリーさんが大統領な未来も見てみたかったかなぁ。
さて、ブッシュ氏が再選した影には、アメリカ内部の州のブッシュ氏支持があったらしいのですが、それって結構いわゆる文化人のブッシュ批判に対する反発からというのがあるみたいです。ハリウッドとかエミネムとか。ぼくは何でそんなこと思うんだろうなーとか思ってたわけですが、日本でも政府や小泉さんを批判してる番組やアーティストを見ると、たしかにそうかもって思えますね。というか、あまりに政治のコト分かってないで、悪いところをスキャンダラスに批判してるんじゃないかと。
何でこんなことを書いてるかというと、近日発売するらしい、『世界一おとなしい納税者』とかなんとかいう音楽をちょっと耳にして、その人たちの番組をちょっと見ちゃって、この人たち気持ち悪い……と思ったからでした。確かに音楽は社会への批判やメッセージが含まれているし、アーティストも自分の意見を持ったほうがいいとは思いますけど、なんかスタイルとして政府批判してるみたいでカッコワルイ。アタマ足りなすぎだし……そんなにムーアさん好き? 偏りすぎた政府擁護も気持ち悪いけど、頭の悪い政府批判もいやだなぁ。エミネムの歌も、そんな感じなんでしょうか。
あーだめだ、くさくさする。
ブッシュさんは再選がなくなって、この4年間何するのかな。再選するってことは、もう法律上当選できないし、歴史に名を残そうと方向性を変える大統領も珍しくないです。日本としては北朝鮮と中国をどうにかして欲しいところですね。アジアの著作権問題とか、個人的に興味があるのですけど、その辺国家として突っ込んでくれたら企業の人喜ばないかな。でも、アメリカに突っ込んでもらうのは危険かなぁ。著作権とか特許とか、国際的にはどうするのがいいんでしょうね。
そういえば東南アジアのウィンドウズの90%以上が海賊盤だって話は面白かった。マイクロソフトは、アップデートの有料化も考慮してるとか。いい考えだと思いますけど、アップデートのクオリティがね……。有料化したら、サポートもしっかりするのでしょうか。
 
なんか長文になってしまった。とゆか、方向性が定まってない文章だなぁ。

No.91

「僕の大事なものは三つ。自然の恵みと、与えられた仕事と、手製の刃物。最後の一つは――」
「――ヒマ潰しさ」
「……今、四つ言わなかったか?」
「えッ」
「いや、大事なものは三つなんだろ?」
「……大事なものは人それぞれの概念さ。概念を数で固定しようなんて、賢いかもしれないけれどロマンがなくて嫌だね僕は」
    (成田良悟・「バッカーノ!1933 (下)」・ISBN:4840228507

ふと思うのですけど、こういう台詞って、ライトノベルに多いのではないでしょうか。キメキメなボケをいって、突っ込まれて、個性に任せて無理矢理頭よさそうに返す感じ。ぼくが読んでるのはそんなのが多いだけかな。
この返しはなかなか面白いです。流れの中で読むと明らかに馬鹿っぽいのですが、単体の台詞としてみた場合、なんかいいコト言ってる……って感じちゃうところが。

買い物と漫画。

6日は電撃の早売り日、ということで出かけて買ってきました。とりあえずはバッカーノと空鐘を。なんか知らない人ばっかりでちょっと困りました。ダディフェイスは面白いそうなのですけど、読んでみようかな…どうしようかな…。
ついでに、一緒に買った漫画など。
デスノート4巻
なんとなく、最初のころは面白かったなぁと思っちゃいますね……。いまのままでも面白いのですけど、なんとなく後出し感がぬぐえないというか、プロットが尽きたとか、無理矢理つないでる感じがしてちょっと嫌。キラとLだけで完結させちゃえばよかったのになぁ。小説だったら一気に完成品で終わるのですけど、週刊連載のつらいトコですね。
スティール・ボール・ラン 3,4巻
ぼくはジョジョ病にでもかかっているようで、そんな感じの台詞回しを見るだけで面白いと感じてしまいます。物語的にはどうなんだろ、さほど、かなぁ。まだ始まったばかりですし、早く連載開始してください……。
ガンスリンガー・ガール 4巻
なんか、物語がうまくなってる気がします。前の巻よりもいい。絵は正直うまくないですけど、いいお話書くなぁ。
 
そんな感じの毎日でした。

『ネペンテス』 (清水マリコ・ISBN:4840111588)

ネペンテス (MF文庫J)
動揺すると、よくないことが起こる少年祐胡の周りで起こる、ちょっと不思議で儚い物語8話。他人と距離を置き、心動かされないようクールに過ごす主人公は、しかし様々な人たちとかかわることになる……。
清水マリコさんのMFJ四作目です。ぼくはこの人の作品案外好きかも知れません。この作品は主人公がすごくいい感じで、無味無臭無感動で、いっつもあーめんどくさいとおもってるような、最近流行のタイプ。ただ、物語が進むにつれ、主人公の心の内が分かってきて、なんとなくしんみりとしたいい感じの雰囲気になれます。動揺するとよくない事が起こるという特異体質は、物語に深くかかわってくるわけですけど、最初のうちはそんなこと全然説明されてなく(むしろ忘れてたくらい)、最後のほうで重くなってくという構成になっています。もしかするとただのミスかもしれませんけど、好感をもてました。
物語は8話で、一つ一つにあたらしい人物が出てきて、それにまつわる物語というように進みます。全体的には不思議と切ないという感じですが、どちらかというと不思議のほうが大きい気がします。時々不思議すぎて、切なさがちょっと消されちゃうのはどうかと思いました。乙一さんとか、そういう意味ではうまくやってるのですね〜。そっちの方に重きをおいてもよいのですけど、やっぱり不思議とせつなさとを比べた場合、不思議さはちょっと空虚すぎる気がして、評価しづらいのではないでしょうか。
ただやはりみるべきは、上のほうでも言った、主人公の内面描写でしょう。最初のほうはその悟りきった感じに心地よさを覚えて、物語が進むにつれだんだん落ち着かなくなっていく感じがたまらないです。
というわけで、他の作品(あとふたつ)も買ってみようかと思ってます。良作とはいえないですけど、好きな人は好きなんだろうなー。
 
    評価:★★★

No.90

「そこへ行ったら、本当に一人ぼっちじゃないか」
「今と何が違うの?」
「いまは……いまは、一人になるかならないか、自分で選ぶことができるんだ。傷はいやだけど、傷があるのは、一人じゃないことを選んだ証拠だ」
    (清水マリコ・『ネペンテス』・ISBN:4840111588

自分で選んだということは、重要なことだなーと思います。そして、それを選ぶ自由は何にかえても欲しいものです。昔から自由意志があるのかないのか議論してた情熱に似てますね。